欠陥分類 検品における欠陥の分類方法

3つの欠陥分類

外観検査で発見される欠陥は、致命的欠陥・重欠陥・軽欠陥という3つのレベルに分類されます。

致命的⽋陥

消費者のケガにつながる可能性がある等の危険性が高い欠陥を致命的欠陥に分類します。

電化製品の例
耐圧試験やアース導通試験が不合格の場合、致命的欠陥とみなします。感電の可能性があり安全性の低さが示されます。

アパレル製品の例
折れた針が発見された場合、致命的欠陥とみなします。

その他に、髪の毛の混入、カビ、血痕、虫の混入などの衛生・製品保管状況・疾病蔓延上の問題に関する欠陥も致命的欠陥とみなします。

AQLに基づく致命的欠陥の許容数は0です。1つでも発見された場合は、そのロットの出荷を受け入れることは推奨しません。ロット全体の再検査を行う事が望ましいです。

重⽋陥

製品の使用に支障をもたらす、または製品の品位を下げクレームにつながる等の欠陥が重欠陥に分類されます。製品の機能性に影響を与える問題や、外観が明らかに変形し製品の販売性に影響を与える可能性があります。

電化製品の例
スペック違いは重欠陥とみなします。
よくある例として、モバイルバッテリーの実際の電力がラベルに表記されている電力と一致しない場合が挙げられます。サプライヤーがモバイルバッテリー内の電池をサイレントで交換している場合があります。

アパレル製品の例
ループステッチやオープンシームは重欠陥とみなします。これらの欠陥は製品の外観に影響を与え、消費者へのイメージを悪くする可能性があります。
この他にぬいぐるみの詰め物が不足or過剰である場合も重欠陥とみなされます。

上記の分類分けはこれまでの検査実績から確立した例に基づいています。
お客様自身で分類分けを指定することも可能です。ロゴマークの不具合も、ブランドイメージに悪影響を及ぼす可能性があるため、これらの不良を重欠陥とするお客様もいらっしゃいます。

AQLに基づく重欠陥の許容値は2.5が世界的に最も多く使用されています。
抜取数が200個の場合、許容不良品数は10個までとなります。11個以上の不良品が発見された場合は、該当ロットを受け入れないことを推奨します。

軽⽋陥

実使用上ほとんど支障がなく、使用者が気づかないと予想される軽微な外観不良だが製品の販売可能性を低下させる可能性がある欠陥が軽欠陥に分類されます。主に製品の見た目に影響を与える欠陥で、製品の中心ではない側面や裏面に存在するあまり目立たない欠陥です。

シミや傷、汚れ、ホコリ痕、若干の変形、若干の色差などは、外観が不完全であり消費者へ悪いイメージを与える可能性があるため、軽欠陥とみなします。

わずかなホコリでも製品の品質に影響を与えます。例えば、LED電球の内部にホコリがあると、電球に黒い斑点が残り、照明として理想的ではなくなってしまいます。

ここでも、製品の品質レベルや顧客の期待への適合性を理解した上で、お客様ご自身で細かい欠陥のリストを作ることができます。

AQLに基づく軽欠陥の許容値は4.0が世界的に最も多く使用されています。抜取数が200個の場合、許容不良品数は14個までとなります。15個以上の不良品が発見された場合は、該当ロットを受け入れないことを推奨します。