AQLとは|AQLによる抜取検査
AQLとは抜取検査時に使用する基準で、世界中の品質管理で利用されています。
AQLは私たちに何を教えてくれるのか|AQLによる抜取検査
AQLは以下2つの事を示してくれます。
- 1. 大量生産した内の中から何個抜き取って検査するのが妥当なのか(適切な抜取数)
- 2. 抜き取った中から何個までの不良品の発見を許容するのか(合格許容数)
適切な抜取数をどうやって決定する?|AQLによる抜取検査
例えば3,500個のコップを生産したとします。
まずはこのロットの検品への抜取数を下表Aから調べていきます。LvⅡの検査を行う場合(Ⅰ~Ⅲとは検品の厳しさを表す。通常はLvⅡの真ん中レベルの検品を行う)、3201~10000の行とⅡの列が交差する部分が該当で、コードは 「L」となります。
AQL表A:抜取数のコード

次に下表Bを見ると「L」の横に「200」という数字があります。これが今回抜き取るべき数量となります。
AQL表B:抜取数と許容不良数

適切な許容数をどうやって決定する?|AQLによる抜取検査
次に何個までの不良品を許容するのかを決定します。
表Bの許容値2.5を設定すると、上表Bに基づき、見つかっても良い不良品数は10個までとなります。
これはつまり200個抜き取った内の10個=10/200 5%までの不良を許容するという意味となり、生産した3500個の内の5%まで不良品があることを許容するということになります。
許容値はお客様の方で決定することができます。上記例の5%では多すぎると感じられた場合には、許容値1.0を設定して5個まで(=5/200 2.5%)とすることも出来ます。
注意点は、許容値2.5とは不良率2.5%を指している訳では無いという事です。あくまで設定値であり不良率がどのくらいかはその都度計算してみる必要があります。
不良品が許容数を超えた場合どうしたらよいか|AQLによる抜取検査
許容数以上の不良品が抜取検査で発見された場合は、該当ロットの出荷は拒否すべきです。
生産元へ発見された不良のリワーク・交換を求め、再検品を行う事をお勧めします。
AQL許容値について|AQLによる抜取検査
発見される不良は致命的欠陥・重欠陥・軽欠陥の3つのレベルに分類されます。(詳しくは欠陥分類のページをご覧ください)
レベル毎に許容値を設定します。以下はよく使われている許容値です。
分類 | 高価値製品 | 低中価値製品 |
---|---|---|
Critical Defects 致命的欠陥 |
0 | 0 |
Major Defects 重欠陥 |
AQL1.0/1.5 | AQL2.5 |
Minor Defects 軽欠陥 |
AQL2.5/4.0 | AQL4.0 |
AQL自動計算シミュレーター
ロット数: | 検査レベル: | 抜取数: 0 units |
致命的欠陥 | 重欠陥 | 軽欠陥 |
AQL許容値: | AQL許容値: | AQL許容値: |
許容可能数: 0 | 許容可能数: 0 | 許容可能数: 0 |
許容不可能数: 0 | 許容不可能数: 0 | 許容不可能数: 0 |
AQLについてわからない点がある場合は一度までお問い合わせください。日本人スタッフがご質問へ回答致します。